なぜなぜ分析の進め方
「なぜなぜ分析」に入る前に、事前チェックの①から⑤を踏まえて、以下の1から3まで進めていきます。事前準備に欠落が生じると、「なぜ」でも欠落が生じることになります。情報収集や対象とするモノゴトの理解に漏れがないよう、しっかり取り組みましょう。
準備がほぼできた段階で、「なぜ」の繰り返しに入っていき、対策(再発防止策)案が出てくるところ(狙い通りの対策が出てくるところまで)まで「なぜ」を繰り返していきます。
見出された対策は、評価した上で、実行に移します。
実行されるべき対策は、職場・業務・作業・設備などに内在する弱点の改善そのものです。分析の対象になったところだけを改善するのではなく、類似の改善が必要なところは全て対象とし、総点検(一斉点検)を実施し、当てはまるところは積極的に改善していかなければなりません。それにより、現状の一歩先にとどまらず、二歩も三歩も先の仕事ができるようになるはずです。
なぜなぜ分析の進め方 1.課題の抽出と事象の絞込み 2.分析目的の明示 3.分析対象の理解・把握 4.前提条件の確認 5.分析と検証の実施 6.再発防止策案の立案と評価 7.再発防止策の実施と効果の確認 8.総点検と横展開 |
2020年度の言葉
失敗の原因追究に管理職も入って、自ら改善策を出す |
皆さんは、失敗を当事者だけに関わる問題で済ましてはいないだろうか。
失敗に至ったいきさつをはっきりさせて、なぜ失敗が発生したのか掘り下げていくと、ほとんどの失敗は当事者の関わる問題だけでなく、業務全体あるいは管理職の関わる問題もあることに気づく。
失敗というのは、会社や職場の脆弱な部分が、たまたま形になって表れてきたに過ぎない。
優れた管理職ほど、部下の失敗を見て、自らが関わる問題にも気づき、すみやかに改めていく。
管理職が自ら関わる問題に気づかず、失敗した当事者や関係者を攻めるのは論外である。
次回失敗しないためにはどうしたらよいか、管理職と当事者が一体になって、全員分の改善策を出すつもりで原因追究を進めることが大切だ。
コロナ禍により新たな取り組みが始まった職場や企業も少なくない。新たな取り組みの中での失敗であればなおさら、失敗の当事者と管理職が一緒に考えていく。
いち早く業務全体を変えていけるかどうかが、企業の生き残りの成否のカギを握ることはいうまでもない。
2020年8月12日 小倉 仁志