なぜなぜ分析の事例
なぜなぜ分析の事例として、「釣竿が折れた」という事象をとりあげました。
問題を引き起こしている事象の要因に対して、下図のように「なぜ」を繰り返していく形で、発生原因を掘り下げていきます。
※図中のボックスをクリックすると問題を掘り下げていきます。
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⇒「釣竿の強度を越える力が加わった」から さらに「なぜ?」
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なぜ「釣竿の強度を越える力が加わった」のか?
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なぜ「許容以上に釣竿が一気に曲がった」のか?
- ⇒「魚の動きに合わせず、無理やり釣竿を引き上げようとした」から さらに「なぜ?」
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なぜ「買った時に比べて、釣竿の強度が低くなった」のか?
- ⇒「竿の表面の塗装がはげている」から さらに「なぜ?」
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なぜ「魚の動きに合わせず、無理やり釣竿を引き上げようとした」のか?
- ⇒「魚が掛かった後の釣竿の引き上げ方を知らなかった」から 対策は?
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なぜ「竿の表面の塗装がはげている」のか?
- ⇒「竿をいつも屋外に置きっぱなし」だから 対策は?
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「魚が掛かった後の釣竿の引き上げ方を知らなかった」ことへの対策は?
- ⇒「魚の引き上げ方について、師匠に教えを請う」
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「竿をいつも屋外に置きっぱなし」ということへの対策は?
- ⇒「竿を屋内に保管する」
この事例のように、論理的に問題点を分析していき、再発防止のための本質的な改善策を見出すのが「なぜなぜ分析」です。
2020年度の言葉
失敗の原因追究に管理職も入って、自ら改善策を出す |
皆さんは、失敗を当事者だけに関わる問題で済ましてはいないだろうか。
失敗に至ったいきさつをはっきりさせて、なぜ失敗が発生したのか掘り下げていくと、ほとんどの失敗は当事者の関わる問題だけでなく、業務全体あるいは管理職の関わる問題もあることに気づく。
失敗というのは、会社や職場の脆弱な部分が、たまたま形になって表れてきたに過ぎない。
優れた管理職ほど、部下の失敗を見て、自らが関わる問題にも気づき、すみやかに改めていく。
管理職が自ら関わる問題に気づかず、失敗した当事者や関係者を攻めるのは論外である。
次回失敗しないためにはどうしたらよいか、管理職と当事者が一体になって、全員分の改善策を出すつもりで原因追究を進めることが大切だ。
コロナ禍により新たな取り組みが始まった職場や企業も少なくない。新たな取り組みの中での失敗であればなおさら、失敗の当事者と管理職が一緒に考えていく。
いち早く業務全体を変えていけるかどうかが、企業の生き残りの成否のカギを握ることはいうまでもない。
2020年8月12日 小倉 仁志